休日日記 4/2.2022

朝、いつも通りにアラームをセットしたのですが、いったん起きてまた寝てしまいこれを二度三度繰り返し結局、実家の巡回は行けませんでした。

たまに泊まるなどすれば少し楽になりそうではありますが…。

(4月2日の桜)
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陽射しはあるものの肌寒い一日でした。

読書、新聞、ラジオ、部屋の片付け(少し)。

例年だと4月の第1か第2の日曜日に銃砲検査があるのですが、今年はまだ通知が来ていません。延期なのかなぁ。

夕方から、実家を巡回するか(今日はデイホーム)、ひさびさに空気銃を撃ちに行くか迷ったのですがもたもたしているうちに日が暮れてしまう…。

スーパーに買い出し。

最近は野菜サラダを一日一回は食べるようにしています。


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(本文中より)

旗野理学博士は、陸海軍の委嘱をうけて、三十年このかた、或る種の爆発薬の研究を続けてきた。その間、失敗に失敗が重なって、それでなくてさえ不自由な博士の体は(博士は傴僂であった)まるで骨と皮ばかりになってしまったが、その苦心が報いられてか、最近ついに、世界稀有(けう)の新爆薬を発見するに至った。……

…………

「ちょっと見て来る!」博士は立って室(へや)を出ていったが、凡そ三十秒も経ったと思うと狂人のようになって駆戻ってきて、扉口に立ちはだかったまま、「死んどる、村瀬も死んどる!」と絶叫した。

……

(メリケン壮太のセリフ)

「来い!! 畜生めら、毛唐の手先になるなんて日本人の風上にもおけねえ奴らだ、壮太様が地獄へ追っ払ってやるぞ」

「え、なに!?」

大佐は吃驚(びっくり)して、気が狂ったのではないかと龍介を見る、幹文毅博士も気まずそうに、

「しかしオッケラアト博士は、満州国の法制顧問官ですぞ!」

「それは表向きです」龍介は決然として叫ぶ。……

 

朱康宇が怒って、右手をポケットに入れようとした時、自動車はぐぐぐと急に速度を増して、猛烈な勢いで走り出した。あッというまもない、運転手は、

「コノクルマ キチガイ ワタシ ノル モウゴメン サイナラ」そう叫ぶと共に、車から跳び下りた。……

 

「誰だ、貴様は誰だ!」博士は気が狂ったように喚いた。

「眼鏡をとれ、顔を見せろ、わしは気が狂いそうだ!」

 

◎法制顧問官発狂!

満州国法制官オッケラアト博士は数日来行方不明なりしも、今日午前四時新公園にて発見されたり。然るに博士は意識混濁して人事を弁せず殆ど狂人の状態なり。医師は診察の上、激烈なる恐怖の結果発狂したるものなりと診断せるが目下原因不明。

………

「オッケラアト博士が狂人になったんですって、驚いたこと」

「いい気味でさあね」壮太は腹をつき出して、

「あんな悪魔野郎は気が狂うどころか、くたばっちまう方がよっぽどましでさあ」

………

………

「ままよ、地球ほど広くはあるめえ」

呟いて、そのまま廊下を盲(めくら)歩きに進んでいった。……

 

巻末の解説に「山本周五郎は、純文学作家を目指していたものの思うように依頼がなく、仕方なく(割り切って)少年少女冒険探偵物を執筆していた」というようにあるのですが、周五郎作品としては、こちらのほうがなかなかどうして面白いと思うのでした。

 

ちょうど今、神保町シアターのほうで「山本周五郎と時代小説の世界」を上映しているのですが、「五瓣の椿」が入っていません。

ちょっと残念です。

五瓣の椿 (松竹)

https://www.shochiku.co.jp/cinema/database/03604/