10/28 朝の日記

またまた更新が滞ってしまいました。
忙しいのではなく、あまり気が進まないのかも知れません。

えーと、ケアマネさんに「親父のほうに処方されている薬ですが、安定薬のようなもう少しおとなしくなる薬を処方してもらうよう医師の先生に伝えて欲しい」と電話。

まだ具体的にどの薬とは言っていませんが、例えば「デパケン」。
てんかんの姉が長く服用し続けた薬を親父も飲むことになるかも知れません。

「狂気という隣人」を読了。
多少長くなりますが概略を記しました。

第3章「スキゾフレニック・キラー」
著者が勤務していたM病院の患者から、江藤君の例。
「江藤君は2人の人物を殺害した殺人者でした。」
菅原光一君の場合。
「…その後、彼の人生の目標は有名大学への進学となり30歳を過ぎた現在でも受験勉強を続けています。…この受験勉強と同居している母親に意味なく罵声を浴びせることが彼の日常のすべてとなっています。」
第4章 「殺戮する脳髄」
M病院に来るまで三度殺人を犯していたQさんのケース。
いずれも「心神喪失」のため免責となり精神病院に措置入院をしていました。
Qさんは統合失調症と診断されていましたが明確な症状が判断しにくい患者でした。
現在はあまり使用しませんが「類破瓜病(ヘボイドフレニー)」という概念があります。破瓜病(ヘベフレニー)は統合失調症の亜類の一つで類破瓜病は破瓜病と精神病質(サイコパス)の境界的な疾患であると考えられます。Qさんはこの疾患にあてはまる患者でした。
ノンフィクション作家のH氏は「通り魔野放し」のなかで通り魔的な殺人の増加する危惧を指摘しています。
その典型例として、精神病院に入退院を繰り返し17回の検挙歴のある男性が、朝の新宿駅のホームで見知らぬ女性を突き落とし死亡させた事件をあげています。
H氏らの論者を「人権派」に対して「保安派」と呼ぶこととします。保安派は精神障害者に対する「心神喪失」や「心神耗弱」による免責規定(刑法39条)そのものを廃止すべきと主張します。
そして池田小学校事件。
この事件を契機に「特殊施設」を新設する動きが高まっていきます。
しかし、この犯人に措置入院の過去があり精神科患者と診断されていたにも関わらず、検察側は精神疾患の存在を誤診であったと否定し、死刑を求刑、2003年8月の1審で死刑判決が告げられると被告は控訴しなかったため、この判決が確定しました。
日本の裁判では、精神疾患者は処罰しないことを原則としています。…しかし司法のスタンスは定まっておらず、マスコミや世論の糾弾の強い事件においては加害者に厳罰を課しているのです。
そして1988年に起きた連続少女誘拐殺人事件のM君。
精神医学の枠内において、司法鑑定の結果について大きな議論を呼んだのもこの事件の特徴でした。
内田孝君という患者による、幻聴に基づく殺人事件。
内田君には常に千ミリグラム程度のクロルプロマジン(抗精神病薬)が投与されました。大量の薬物も電気ショック療法も、彼の妄想と暴力への傾斜を一時的に押さえ込む力しかありませんでした。
内田君のような患者はどこで治療するのが適当なのでしょうか。……
夢野久作の長編小説「ドグラ・マグラ」の一節。
……人の心は診察できない。たとい如何なる名医じゃとても。
その後語られるのは、精神病理学教授正木博士の「胎児の夢」であり「心理遺伝」の悪夢です。
主人公、呉一郎は祖先の画家、呉青秀の絵に視覚刺激を受けたせいで精神症状が誘発され異常な犯罪を犯すことになったのです。
呉一郎の症状と経過を見ると、これにあてはまる診断は統合失調症ではなく「側頭葉てんかん」であると考えられます。
てんかんの刺激を誘発するものとして、光刺激やある図形のパターンなどが報告されています。……木漏れ日、テレビ!格子模様など。
そして実際に、もうろう状態で当時1歳の娘を絞殺した20代のてんかんの女性。
……
ドグラ・マグラ」で最後まで自分自身の姿を見つけられなかった主人公は、記憶を取り戻せないまま精神病院の闇の中に取り残されます。
それは「精神」あるいは「狂気」の真の姿、すなわち殺戮する脳髄の地獄を一瞬のうちに見てしまったこの物語を読む読者自身の姿です。
つまり、保護室にいる呉一郎は、読者である私達自身の姿でもあるのです。
そして自殺願望の強かった矢作君、シンナー常習者の長坂君への電気ショック療法。
2003年7月成立の「心神喪失医療観察法」と英国の「保安病棟」の話。
最後に精神病患者の匿名報道。
1994年の「青物横丁医師射殺事件」
過去の新聞記事スクラップから一例。
「狂人、六名を殺傷 松沢病院で退院間近の男」(朝日新聞 昭和27年5月27日)
「狂人、校庭の学童襲う ナタで四人に重軽傷 近所の青年、一瞬の惨劇」(読売新聞 昭和40年4月25日)
何れも実名報道でした。

昨日、雲がすごいことになっていたので撮影。
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夜半に強く雨が降ったようですが寝ていました。
夢を見ました。

気になった記事からです。

○「中国、かつてない監視国家」
「ナイキは良心捨てた」
(10/25 日経夕刊)
24日、ペンス米副大統領発言。中国の挑発的行動は「より攻撃的になっている」と述べて是正を要求。また香港の大規模デモに関して中国政府に人権の尊重を求めるとともに新疆ウイグル自治区でのイスラム教徒らの拘束を糾弾した。またアフリカや中東諸国に監視技術を輸出していることを指摘した。

○中国軍事動向 透明性欠く
(10/25 日経夕刊)
河野太郎防衛相は講演で、中国が無人攻撃機人工知能(AI)兵器を開発していることを挙げ「目標や戦略を明らかにしておらず透明性を欠く」と語った。
(日経・CSIS(米戦略国際問題研究所)シンポジウム)